下馬の集合住宅
2013年
主体構造を一般被覆型耐火部材による木造軸組工法とした1時間耐火建築物の集合住宅です。集成材の柱とフラットスラブが鉛直力を支え、外周を覆う木の斜め格子が水平力を負担し、居住空間を柔らかく包みこみます。都市部に建つ、新しい「木」の建築の提案です。外周にぐるりと彫り込まれたひとすじの共用階段が、街を眺め季節の変化を感じる場所となり、稀薄になりがちな上下階に重なる住戸間の関係を変えていくことを期待しています。
<木を現しにした一般被覆型の耐火木造>
1階部分(商空間)は2時間耐火のRC造、2〜5階(住空間)を1時間耐火の木造としました。木造部分は120ミリ厚のスギノ集成材(一部ベイマツ)を繊維方向を直交させて重ねた厚さ240ミリのマッシブホルツスラブの床を集成材の柱で支える、木造によるフラットスラブ構造としています。火災時の崩壊防止を担う部材(柱・床・屋根・壁)と地震時の水平力による崩壊防止を担う部材(斜め格子)を明確に分け、柱・床・屋根・壁を被覆し、斜め格子を無被覆として、木を現しにした一般被覆型の耐火木造を実現しました。
建築データ
設計:KUS 一級建築士事務所 + team Timberize
構造:腰原 幹雄、佐藤 孝浩
防火:安井 昇
建築用途/共同住宅+店舗
所在地 /東京都世田谷区
主体構造/木造+一部RC造
建築面積/92.83㎡
延床面積/372.15㎡
竣工 /2013年9月