霧島神宮駅前プロジェクト 光来 JR日豊本線 霧島神宮駅改修
2024年

所在地 : 鹿児島県霧島市
建築設計 : 川口琢磨建築設計事務所
構造設計 : 坂田涼太郎構造設計事務所
設計協力 : 鹿児島大学大学院理工学研究科鷹野研究室
施工:IFOO + ベガハウス
撮影 : 稲継 泰介

【寸評】
このたびT1グランプリの特別賞の一つとしてJR日豊本線霧島神宮駅改修を選んだ。素材の未来賞と名付けている。ティンバライズが創設時に掲げた『「木」を新しい材料として捉え、これまでの木造の伝統や慣習に捉われることなく新しい可能性を模索し、新技術や木造デザインを構築することで、社会に広く提案することを目的とする。』という設立の目的に立ち返った時に、木を新しい素材として捉え続けることから生まれる、新鮮な木造・木質空間というものを評価の俎上にあげた。霧島神宮駅改修は、大径材の活用を直截的な表現によってデザインしているが、丸太から流通材までの製材を組み合わせた木質空間とすることで、古くもあり新しくも感じる木質空間に昇華している。昨今、駅舎の改修手法に木材を用いることも多く、地域の特徴を活かし地方創生とまちづくりの象徴となりつつある。そうしたプロジェクトの良質な事例としての力も感じる。柱は地震力の一部を負担可能とした設計としたことにも、木材の構造的貢献へのこだわりを感じられ、改修の手法としても評価できる。
(八木 敦司 / NPO法人 team Timberize 理事)