Metsa Pavilion
2020年

所在地 :東京都港区
建築設計:Helin & Co
構造設計:AINS Group
施工:ゲストハウス、Timberpoint、Puurakentajat

【寸評】
まず、あっけらかんとしたデザインが目を引いた。建築というよりは大きな家具のような、舞台装置のよう佇まいである。概要を読むと、オリパラ向けのフィンランドの文化発信を目的とした仮設建築物であるとのこと。なるほど、その造り方は、どこか工業製品の匂いを感じさせる。フィンランド国内で、断熱材充填と一時防水まで行った床・壁パネルと無垢の柱・梁材を製作し、運搬したそうだ。また、接合方が多種多様なビスによる3次元スクリューとなっており、この方式を活かした金物の設計が、一風違った味わいのデザインを生んでいる。木材を工業製品としてきちんと扱い合理的なデザインの元で設計されたこのパビリオンは、今後の日本国内の木造建築普及の観点でもおおいに参考にすべき事例だと思う。

(八木敦司 / NPO法人 team Timberize 理事)