PLATE
2010年

PLATE
- 集成材の折板構造による木あらわし型耐火建築物 -

都市の木造小学校
3階建て以上の小学校は法律により「耐火建築物」としなければならないので、都市にある小学校はほとんどが鉄筋コンクリート造です。
しかし「木造耐火部材」の開発により、3階建て以上の小学校も木造でつくることが可能となります。
しかも「燃えしろ被覆型」と呼ばれる、木の構造体を木で覆った耐火部材によって、柱や壁、天井など、内装仕上にまで木を使うことができるようになります。

折板構造
PLATEの空間は、厚さ20cmの集成材の板を組み合わせてできる傘のような構造が基本単位となっています。これらをつなげてゆくことで、約8.0mX8.0mの空間を、太い梁を使わないで掛け渡すことができます。
力学的には、「折板構造」と呼ばれ、薄い紙でも折ると全体の強さが増すのと同じ原理を利用しています。
このように木のやわらかい天井で包みこむようにつくられた空間のまとまりがそのまま、教室の空間の基本単位となります。
また、これら傘状の単位空間は、場所によって少しずつ形と大きさが違っており、都市の中の変形した敷地の形や街並みの形に対して、建物全体がうまくフィットするようになっています。

設計 / 布施 靖之、佐藤 孝浩(team Timberize)