流山市立おおぐろの森小学校
2020年
photo/浜田昌樹
photo/浜田昌樹
photo/浜田昌樹
photo/浜田昌樹
photo/浜田昌樹
photo/石島邦彦

所在地:千葉県流山市
建築設計:日本設計
構造設計:日本設計
施工:松井建設
写真:川澄・小林研二写真事務所、石島写真事務所

【寸評】
2015年6月の建築基準法第21条、第27条の改正により建築可能となった1時間準耐火構造による木造3階建て学校である。現在、竣工している木造3階建て学校の中で最大規模の小学校である。千葉県内のスギ材を、千葉県内の工場で加工・製造したLVLや、姉妹都市である長野県信濃町産の強度の高いカラマツのLVL等を柱・はりに使い、集成材外壁パネル(W.ALC)、OSBパネルの内装など、壁、床、天井、柱、はりがほぼ木材あらわし仕上げとなっている。
建物内部に入った印象は、「構造体がスッキリしている」であった。LVLの1時間準耐火構造の燃えしろ寸法が集成材と同じく、45mmであること、強度が高い材料がはりに使われているため、はり寸法が小さく抑えられていることによっていると想像する。
建物の至る所で、LVLの使い方の可能性を教えてくれる小学校と言え、T-1グランプリLVL賞に相応しい建物と言える。
この建物が広く一般に知られるようになり、今後もこのような安全性・快適性・環境等に配慮された木造の学校が全国に増えることを期待したい。

(安井昇 / NPO法人 team Timberize 理事長)