六甲最高峰トイレ
2020年

所在地 :兵庫県神戸市
建築設計:ofa / 小原賢一 + 深川礼子
構造設計:桃李舎
施工:ビームス・コンストラクション
写真:小川重雄

【寸評】
ホームコネクターを柱梁等の線材ではなく面材の接合部に採用した作品である。面材にはCLTが用いられ、そのCLTパネル同士の接合部に、ホームコネクターだけでなく鋼板添え板ビスおよびクロスビスを併用し、それぞれの接合具に構造的な役割(引張・曲げ・面内せん断・面外せん断)を分担させる事で、シームレスに折れつながった一体の大屋根を実現している。
また、屋根面が構造的にも一体となる事で、90φの繊細な鉄骨柱は屋根形状(山部・谷部等)に制約を受けることなく比較的自由に(ランダムに)配置する事ができ、おおらかで抑揚感のある屋根下空間を実現している。
今回の事例のように比較的等方性の高い(方向性のない)屋根架構の実現に求められる材料・接合具を適宜採用している点において、その一端を担った汎用性の高いホームコネクター工法は欠かせない存在であったと思う。

(加藤征寛 / NPO法人 team Timberize 理事)